ホーム・アンド・ジャーニー

ふるさとの珠洲(すず)と、そこから出てそこへと帰る旅にまつわるあれこれ。

小説

悪を倒すものは悪なのか 〜舞台「ねじまき鳥クロニクル」〜

公演ポスター センスいい 11/20〜24の5日間、東京に行っていました。 目的は、村上春樹の小説『ねじまき鳥クロニクル』を原作にした舞台を観に。ついでにいろいろ観てきましたが、舞台について思ったことを書きたいと思います。 舞台としては、ものすごくも…

「かく」第9号販売・閲覧場所追加

ぼくの本づくり活動のメインの冊子「かく」、第9号は、珠洲を中心に能登地方で販売中です。 その他にも、全国の方も手に入れられるように、ネットショップも開設中です。 smallcapital.thebase.in それで珠洲なんですが、販売箇所を追加させていただきました…

新年明けましておめでとうございます 2019

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 今年も当ブログ「ホーム・アンド・ジャーニー」をよろしくお願いいたします。 昨年は、ぼくが本づくり活動をしているSMALL CAPITALから、「静寂と狂気」という冊子と、「かく」第9号を出すことができまし…

「かく」第9号販売場所追加

今日、七尾の方に行ってきて、「かく」を新たなところに置かせてもらいました。 cafe gene(七尾市相生町67) cafe 遊帆(七尾市中島町外イ14) の2ヶ所です。 geneは、珠洲で一箱古本市をやったときに出会った方のやっているカフェで、おしゃれで都会的だけ…

「かく」第9号ネット購入者第1号!

今回からネット販売を始めた「かく」ですが、それをSNSなどで身内に少しだけ告知していました。 従来どおりの珠洲での店頭売りはもちろんしていて、それはまだ売れたかどうかすら把握していないのですが、とりあえずネットでの購入者が出ました!(手売りで…

かく第9号POP製作しました

ぼくが作っている冊子「かく」をこれから販売するにあたって、ちょっとしたPOP的なものがないとな、と思い作りました。 あらすじを軽く書いてみて。 また、コーヒー片手に軽く読めるようなかたちで、本棚にでも置いていただければ、そうしたいと思います。 3…

「かく」第9号 まもなく発売

ぼくのずっと続けている活動として、「かく」という小冊子の発行があります。 詳しくは過去の記事に書きました。 nouvellemer.hatenablog.comnouvellemer.hatenablog.com 2012年に、友達と発案して、詩と小説を載せる冊子を作りはじめました。 最初は彼と2人…

東北旅ショートノベル:6日目「岩手の人とカッパと(全文)」

最終回のみ読みたい方はこちら。 www.nouvellemer.jp 1 「お兄ぢゃん、おもしれえ時計してっなあ」 遠野駅の駅舎を出ると、すぐに声をかけられた。声の主は客待ちのタクシー運転手のおじちゃんで、花壇に腰掛けて暇そうにしている。隣には同業者が煙草をふか…

東北旅ショートノベル:6日目「岩手の人とカッパと(最終回)」

第1回 http://www.nouvellemer.jp/entry/2017/05/30/181233www.nouvellemer.jp第2回 http://www.nouvellemer.jp/entry/2017/05/31/193703www.nouvellemer.jp第3回 http://www.nouvellemer.jp/entry/2017/06/06/210010www.nouvellemer.jp第4回 http://www.nou…

東北旅ショートノベル「6日目:岩手の人とカッパと(5)」

第1回 www.nouvellemer.jp第2回 www.nouvellemer.jp第3回 www.nouvellemer.jp第4回 www.nouvellemer.jp(承前) 「しかたねぇな。帰るしかねぇか」。坂を下りながら、カッパが残念そうに言う。 「いえ、僕はもう十分です」。心にもないことだが、僕は、あと…

東北旅ショートノベル:6日目「岩手の人とカッパと(4)」

第1回 www.nouvellemer.jp第2回 www.nouvellemer.jp第3回 www.nouvellemer.jp(承前) それが建築の発する光だとわかるまでに、僕は数十秒ほどかかったように思う。はじめは、瓦が太陽光を反射しているだけのように思えたのだが、色が違う気もする。瓦の反射…

東北旅ショートノベル「6日目:岩手の人とカッパと(3)」

第1回 http://www.nouvellemer.jp/entry/2017/05/30/181233www.nouvellemer.jp第2回 http://www.nouvellemer.jp/entry/2017/05/31/193703www.nouvellemer.jp(承前) 随分長いこと水の中を流されていたと思う。たぶん、人間が普通に息を止めていられる時間を…

東北旅ショートノベル「6日目:岩手の人とカッパと(2)」

前回のお話。 www.nouvellemer.jp(承前) 爬虫類のように見えるが、よく見るとくちばしが付いている。そして、体は緑色だが顔は赤い。さらに、頭にぬるっと湿った皿状のものがある。皿の淵にはふさふさとした毛が生えている。カッパだ。 「そうだよ。カッパ…

東北旅ショートノベル「6日目:岩手の人とカッパと(1)」

「お兄ぢゃん、おもしれえ時計してっなあ」 遠野駅を出ると、すぐに声をかけられた。声の主は客待ちのタクシー運転手のおじちゃんで、花壇に腰掛けて暇そうにしている。隣には同業者が煙草をふかしている。僕はその言葉が自分に向けられたものかどうか、最初…