ホーム・アンド・ジャーニー

ふるさとの珠洲(すず)と、そこから出てそこへと帰る旅にまつわるあれこれ。

悪を倒すものは悪なのか 〜舞台「ねじまき鳥クロニクル」〜

公演ポスター センスいい 11/20〜24の5日間、東京に行っていました。 目的は、村上春樹の小説『ねじまき鳥クロニクル』を原作にした舞台を観に。ついでにいろいろ観てきましたが、舞台について思ったことを書きたいと思います。 舞台としては、ものすごくも…

2022年の3冊

今年ももうすぐ終わろうとしています。 いろいろあったけれど、なんとなく何事もなかったかのような一年でした。 今年読んだ本のベスト3を書きたいと思います。 * * * 今年は、他力の思想に目覚めた年でした。 うちはもともと浄土真宗の家です。祖母が熱…

若くて若いひとたちへ

今年の8月の終わり。 ぼくの母校の高校で行われている特別授業「ゆめかな」という、いわゆる総合学習?というやつでしょうか、縁あってその企画に呼ばれて、後輩の現役高校生たちにお話をしてきました。 企画としては、珠洲に住むUターン、Iターンの若者にお…

『居るのはつらいよ』

東畑開人『居るのはらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院) ある人に薦められて、『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』という本を読んだ。 これは、京大で臨床心理学を学び、博士号までとった著者が、条件の良さから沖縄のあるデ…

蚤の市に参加してきました

珠州市内の木ノ浦という景勝地にある広場で、蚤の市が開かれるということで、ぼくもSMALL CAPITALとして出店してきました。個人的な古本と、自分の本を売りに。リアル本屋SMALL CAPITAL会場の風景 1会場の風景 2カフェ「cove」 珠洲にこんな面白い人が! こ…

わたしの平成の3冊 1位:『海辺のカフカ』(村上春樹)

令和になりました。新元号も、当ブログをよろしくお願いします。 平成を自分が読んだ本で振り返るコーナー「わたしの平成の3冊」第1位です。 3位、2位は前の記事にあります。 nouvellemer.hatenablog.comnouvellemer.hatenablog.com 1位:村上春樹『海辺のカ…

わたしの平成の3冊 2位『あん』(ドリアン助川)

個人的平成の本ベスト3を書くシリーズ。今日は第2位です。 3位はひとつ前の記事にあります。 nouvellemer.hatenablog.com 2位:ドリアン助川『あん』(ポプラ社)平成25年表紙も好き ぼくと『あん』との出会い。 ある夜、父の運転する車で金沢から珠洲に帰る…

わたしの平成の3冊 3位『月』(辺見庸)

先日、朝日新聞で「平成の30冊」という記事があって読んだのですが、それが結構面白かったです。 30冊のうち3分の1はすでに読んだ本で、なるほどなと思ったり、知らない本も何冊もあったりして、楽しい特集でした。 book.asahi.com 考えてみれば、ぼくは昭和…

東京旅行レポート ③ 獲得品

東京で手に入れたいろいろなものを紹介です。ハードカバーになるブックカバー 神保町の「竹尾見本帳」というところ(紙見本を扱っているおしゃれなお店)で売っていたものです。文庫本カバーなんだけど、装着するとハードカバー(上製本)になるというもので…

東京文化ツアー 2/23-25

明日から2泊3日で、東京へと行ってきます。 発端は、顔真卿(がん・しんけい)という書家の展覧会があるのを知ったこと。 上野の東京国立博物館(トーハク)でやります。 ganshinkei.jp ぼくは書道をやるので、顔真卿の書跡は普段から臨書していたので、もち…

「静寂と狂気」印刷開始

ぼくが本を作っているSMALL CAPITALから去年発行を開始した小冊子「静寂と狂気」の第2号のデザインを完了し、今日からぼちぼちと印刷をしています。 表紙は、こないだ試し刷りしたのとは変えて、冬号らしく白のデザインにしました。 白い汚い紙のようですが…

「静寂と狂気」第2号制作中

去年夏に新たに発行した小冊子「静寂と狂気」ですが、その第2号を作っています。 これは、写真と言葉を収めた8cm×12cm、16Pの小さな本です。 プリンタでガシガシ印刷して、自分で裁断して製本して、といううち本来のスタイルで作ります。「かく」も創刊当初…

「かく」第9号販売・閲覧場所追加

ぼくの本づくり活動のメインの冊子「かく」、第9号は、珠洲を中心に能登地方で販売中です。 その他にも、全国の方も手に入れられるように、ネットショップも開設中です。 smallcapital.thebase.in それで珠洲なんですが、販売箇所を追加させていただきました…

新年明けましておめでとうございます 2019

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。 今年も当ブログ「ホーム・アンド・ジャーニー」をよろしくお願いいたします。 昨年は、ぼくが本づくり活動をしているSMALL CAPITALから、「静寂と狂気」という冊子と、「かく」第9号を出すことができまし…

「かく」第9号販売場所追加

今日、七尾の方に行ってきて、「かく」を新たなところに置かせてもらいました。 cafe gene(七尾市相生町67) cafe 遊帆(七尾市中島町外イ14) の2ヶ所です。 geneは、珠洲で一箱古本市をやったときに出会った方のやっているカフェで、おしゃれで都会的だけ…

「かく」第9号ネット購入者第1号!

今回からネット販売を始めた「かく」ですが、それをSNSなどで身内に少しだけ告知していました。 従来どおりの珠洲での店頭売りはもちろんしていて、それはまだ売れたかどうかすら把握していないのですが、とりあえずネットでの購入者が出ました!(手売りで…

かく第9号POP製作しました

ぼくが作っている冊子「かく」をこれから販売するにあたって、ちょっとしたPOP的なものがないとな、と思い作りました。 あらすじを軽く書いてみて。 また、コーヒー片手に軽く読めるようなかたちで、本棚にでも置いていただければ、そうしたいと思います。 3…

かく第9号、完成(ネットショップ開設!)

印刷を頼んでいた「かく」の第9号ですが、先日やっと届きました! 「かく」は、ぼくが作っている〈詩と小説の小冊子〉です。一人同人の文芸誌です。これが9冊目。 この度、不定期刊としてリニューアルしました。題字を含めてデザインを新たに! サイズもB6版…

「かく」第9号 まもなく発売

ぼくのずっと続けている活動として、「かく」という小冊子の発行があります。 詳しくは過去の記事に書きました。 nouvellemer.hatenablog.comnouvellemer.hatenablog.com 2012年に、友達と発案して、詩と小説を載せる冊子を作りはじめました。 最初は彼と2人…

山陰へ

来週から1週間ほど、青春18きっぷの旅で、山陰に向かいます。 きっかけは、酒井順子さんのエッセイ集『裏が、幸せ』を読んだこと。 「裏日本」のことを書いたもので、その中の鳥取について書かれていた章に引っかかって。 本については、過去の記事を参照で…

裏は、幸せ。

街角に立ち止まり 風を見送った時 季節がわかったよ ——荒井由実「生まれた街で」 酒井順子『裏が、幸せ。』(小学館文庫) 珠洲の本屋(いろは書店ではない)で、表紙を前面に出すかたちで堂々と陳列されていたので目についた本。 タイトルからも表紙からも…

日記 2018/04/25

本棚自慢をします。 だいたいこれくらい本があるけど、これだけ集まるきっかけは、たった一冊の本だった。 村上春樹『海辺のカフカ』。 ちょうどそのころ、高校生だったぼくは、それ自体が嫌になってサッカー部(!?)をやめて、暇になっていた。 放課後デ…

2017年 読んだ本で振り返る

新年あけましておめでとうございます。画像は昔飼ってた犬です。 今年も当ブログ「ホーム・アンド・ジャーニー」をよろしくお願い申し上げます。 さて、ぼくは読書メーターというサイトで読んだ本を記録しているのですが、2017年に読んだ本をまとめられるよ…

東北旅ショートエッセイ「4日目:青森に今度は西行と鴨長明が現れた」

ぼくがちょうど五所川原から青森駅に着いて、ホテルにチェックインしようと向かっているとき、夕食を済まそうと思い立ってガイドブックを広げると、よさそうなお店が近くにあることがわかった。「マロン」という喫茶店で、名物はジャマイカンカレーらしい。…

東北旅ショートエッセイ「3日目:青森にあらわれた三島由紀夫」

この旅の合間の時間に読むために、ぼくは1冊の本を持ってきた。三島由紀夫の『小説家の休暇』(新潮文庫)という本だ。あまりヘビーなものでは気が滅入るし、長い小説だとその世界とこの旅の世界とがちぐはぐになるし、なにかちょうどいいものはないかと、山…