ホーム・アンド・ジャーニー

ふるさとの珠洲(すず)と、そこから出てそこへと帰る旅にまつわるあれこれ。

I Need To Be In Love(青春の輝き) 和訳に挑戦

画像はイメージです
 最近よくカーペンターズを聴いています。
 なかでも「Close To You」が一番好きだなあと思っていたのですが、少し前からタイトルにした「I Need To Be In Love」がすごく美しい曲だと思っています。邦題は「青春の輝き」(「Close To You」の作曲はバート・バカラックでしたが、今年お亡くなりになりましたね)。
 何度も何度も繰り返し聴いていて、歌詞もどこか儚げな悲劇、若さゆえに大切なものに気づかなかった自分を自嘲しながら、まだまだ大人になれない自分も自覚している、みたいな感じがして、ちょと自分に重なります。
 それを踏まえて、独自の和訳をしてみました。ちゃんとした訳は他サイト参照ください。
※以前に「Top Of The World」を和訳していました。
nouvellemer.hatenablog.com



www.youtube.com

I Need To Be In Love(青春の輝き) (John Bettis / Albert Hammond / Richard Carpenter, 1976)

〈1〉
The hardest thing I’ve ever done is keep believing
There’s someone in this crazy world for me
The way that people come and go
Through temporary lives
My chance could come and I might never know

こんなひどい世界の中に 運命のひとがきっといる
そう信じ続けることがつらかったのは当たり前だよね
たくさんの たくさんのひとたちの人生が行き交ってるんだから
わたしにもチャンスがきてもよかったのに……なんて

〈2〉
I used to say
“No promises. Let’s keep it simple”
But freedom only helps you say Good-bye
It took a while for me to learn that nothing comes for free
The price I’ve paid is high enough for me

「決めごとなんてしないで、気楽にいきましょう」
そんな言葉はあなたに「さよなら」を言わせただけだったね
本当の幸せは誰かがくれるものじゃないってわかったけれど
ちょっと遅かったかしら
今のわたしがその証拠でしょう?

※〈3〉
I know I need to be in love
I know I’ve wasted too much time
I know I ask perfection of
A quite imperfect world
And fool enough to think that’s what I’ll find

わたしから愛に飛び込まないといけなかったんだね
あまりにもたくさんの時間を無駄にしちゃった
ばかだね わたし
まったく思いどおりにならない世界で
思うままに愛されると思ってたんだ

〈4〉
So here I am with pockets full of good intentions
But none of them will comfort me tonight
I’m wide awake at four a.m
Without a friend in sight
Hanging on a hope but I’m alright

いろんな生き方を探してはいるけれど
どれもまだしっくりこない
午前4時 こんな時間に気がついたの
わたしひとりぽっちで
願いは叶わないままだけど
うん、わたしは大丈夫
 
※繰り返し
 
 本当は人生ギブアンドテイクなことも知らずに、「ありのままのわたし」を愛してくれる理想の王子様(?)がきっといると信じていて、当時の彼氏がそれだと(自分を騙し騙し)思いながらも、やはり希望は破られて、彼は去っていった。そしてこのときに初めて、自分が子供だったと気づいたのでしょうか。
『愛するということ』の著者エーリッヒ・フロムによると、本当の愛は見返りを求めないといいます。でもそんな大人の愛を生きられるかといったら、そんな簡単じゃないですよね。ん〜。
 なんか「愛」みたいな単語を出しましたが、もっと広い意味でいうと、自分にも重なります。甘えがちな人間なので。
 以下、訳したときの頭の中の状況。
 
〈1〉直訳「わたしにとってはひどい世界の中に、誰か(=運命の人)がいることを信じ続けることが今までで一番難しかったこと。多くの人々がひとときの人生を行き交う道で、わたしにチャンスが来るべきだった。そして多分知ることはない」
詩の全体の雰囲気からして、こんな感じにしました。
〈2〉直訳「『約束はなし。シンプルにいきましょう』とわたしはよく言っていたけれど、自由はあなたに『さよなら』というのを手伝っただけだった。何者もただでは手に入らないと学ぶのにかかった時間はわずかだった。わたしが払った代償はわたしにとっては十分高かった」
最後の行だけ「今のわたしがその証拠でしょう?」としたのはやりすぎかもしれません。
〈3〉サビ。直訳「恋に落ちることがわたしに必要だとわかっている。あまりに多くの時間を無駄にしたかもわかっている。この全く不完全な世界に完璧を求めているのもわかっている。『これが探していたものだ』と思うことが十分に愚かだということもわかっている」
正直「(I know I'm) fool enough to think that’s what I’ll find」がよくわからず(thatは何?)、要は何かを「求めていたものはこれだ!」と思っていた自分が愚かだったとわかっている、みたいなことでしょうか。thatは当時の彼氏でしょうか。それを「わたしを手放しで愛してくれる完璧な存在」と思っていた?ん〜。
〈4〉直訳「そう、ここでわたしはポケットにいっぱいの良いアイデアを持っている。でも、それらのうち何ひとつ今夜わたしを楽にさせてくれるものはない。わたしは午前4時に目は冴えていて、近くに一人の友達もいない。ある望みにすがりながら。でもわたしは大丈夫」
辞書を引くと、intentionは「意志」「意図」「目的」「考え」とあります。「先に向けて-の行動」(pro-ject?)と捉えて、何かの企みのようなものがあるのか。
comfortは「快適」「安堵」「慰め」「満足」のようなニュアンス。「慰めにはならない」としてもいいのでしょうが、まだ自分の中ではしっくりくるいいもの(good intention)はないという感じかと。
それで問題は「wide awake」。意味は「はっきりと目が覚めている」ということなのですが、以下のようにまとめました。
時刻は午前4時。はっきりと目が覚めた状況でわかるのは「without a friend in sight」でありかつ「hanging on a hope」であり、さらに「I’m alright」でもあるのではないでしょうか。そこで「うん、わたしは大丈夫」と「うん」の言葉を入れました。
つまり、理想を求めつつ、おそらくいつかの時点で妥協を含めて受け入れるだろうことを予感している。救いがたいリアルな自意識に、どこかで折り合いをつける覚悟がほんのり見受けられる。
考え過ぎかな?