ホーム・アンド・ジャーニー

ふるさとの珠洲(すず)と、そこから出てそこへと帰る旅にまつわるあれこれ。

悪を倒すものは悪なのか 〜舞台「ねじまき鳥クロニクル」〜

公演ポスター センスいい 11/20〜24の5日間、東京に行っていました。 目的は、村上春樹の小説『ねじまき鳥クロニクル』を原作にした舞台を観に。ついでにいろいろ観てきましたが、舞台について思ったことを書きたいと思います。 舞台としては、ものすごくも…

I Need To Be In Love(青春の輝き) 和訳に挑戦

画像はイメージです 最近よくカーペンターズを聴いています。 なかでも「Close To You」が一番好きだなあと思っていたのですが、少し前からタイトルにした「I Need To Be In Love」がすごく美しい曲だと思っています。邦題は「青春の輝き」(「Close To You…

こんな本を読みました。『裁かれた命』

本はよく読むのですが、これは是非とも内容を人に伝えたい!伝えねばならぬ!という欲がどうしても出て、あわよくば何かを語りあいたい、またそれが必要だと、最近思うのです。 リアルではそういうことはちゃちゃっとできるものではないことがもどかしく、と…

2022年の3冊

今年ももうすぐ終わろうとしています。 いろいろあったけれど、なんとなく何事もなかったかのような一年でした。 今年読んだ本のベスト3を書きたいと思います。 * * * 今年は、他力の思想に目覚めた年でした。 うちはもともと浄土真宗の家です。祖母が熱…

平安の祈り/The Serenity Prayer

今までの読んだいくつかの本の中に、この祈りの文章のはじめの4行が偶然にも(必然にも)書かれていて、以来、心に留まっています。 アルコール依存症の患者の自助グループでのスローガン的に採用されたものとして知ったのですが、本来はラインホルト・ニー…

The Great Curve 和訳に挑戦

シネモンドにて 2021年8月 学生時代にたまたまジャケ買いしたトーキングヘッズの『Remain In Light』というアルバムが衝撃的でした。 上の写真は、バンド解散後ソロとして活動している元リーダー、デイヴィッド・バーンの出演するライブというか、さらに芸術…

Eleanor Rigby 和訳に挑戦

すごく思い入れのある曲というわけではないけれど、なぜかずっと頭の中で引っかかって、聴くたびに不思議な気持ちになる曲。妙なクセがあると思っています。 そのきっかけは、たぶん、高校生くらいにときにたまたまテレビで見かけたオーケストラ・バージョン…

Both Sides, Now 和訳に挑戦

ジョニ・ミッチェルというシンガーソングライターを知ったのは20歳くらいのときでした。誕生日に、父からライブ盤をもらったんです。 それにこの曲は入っていたのですが、当時は他の曲とか、全体としての美しさのほうが記憶に残っていました。 以後いろんな…

若くて若いひとたちへ

今年の8月の終わり。 ぼくの母校の高校で行われている特別授業「ゆめかな」という、いわゆる総合学習?というやつでしょうか、縁あってその企画に呼ばれて、後輩の現役高校生たちにお話をしてきました。 企画としては、珠洲に住むUターン、Iターンの若者にお…

旅に出れないから書けない

新型コロナだ。 そのせいで旅に出られないから嫌だ、なんて不平をいうのは不謹慎なのはわかっているけど、そう思っている人は少なくないはずだ。 しかし、ぼくの場合は少し話が違う。 旅行記が書けないのだ。その鬱憤が溜まっているのだ。 じゃあ小説でもな…

『居るのはつらいよ』

東畑開人『居るのはらいよ ケアとセラピーについての覚書』(医学書院) ある人に薦められて、『居るのはつらいよ ケアとセラピーについての覚書』という本を読んだ。 これは、京大で臨床心理学を学び、博士号までとった著者が、条件の良さから沖縄のあるデ…

A Place In The Sun 和訳に挑戦

二十歳くらいのときによく聴いたベスト盤 スティーヴィー・ワンダーがなんだかんだで好きです。 どの曲も普遍的だし、ヴォーカルがもう唯一無二ですよね。 恥ずかしげもなくいうと、存命のアーティストの中で、もっとも「天才」という形容が最適な人だと思い…

Green, Green, Grass Of Home 和訳に挑戦

ベスト盤 和訳に挑戦シリーズ。 今回は、前のほどメジャーではないけれど、わたしのすごく好きな曲です。 カントリーの作曲家カーリー・プットマンの詩曲で、いろいろな人がカバーしています。 わたしが知っているのは、トム・ジョーンズのバージョンで、こ…

Desperado 和訳に挑戦

いつ買ったかわからないベスト盤 今回和訳するのは、イーグルスの「Desperado」(デスペラード)。 「ならず者」という邦題が付いていて、西部開拓時代を念頭においた曲のようです。 ただ、わたしが和訳する曲として選ぶのは、自分の言葉で訳せそうなもので…

Top Of The World 和訳に挑戦

100日ぶりにブログを更新します。 中学生レベルの簡単な英語の歌を和訳したくなったので、書こうと思います。 書いたらだれかに見てもらいたくなるのでね。 正確な和訳でなくて、意訳までいかないまでも、なんとなく感覚でわかっていただければそれでいいで…

意味のある偶然

ぼくが大学院にいたときにお世話になっていたカウンセラーの先生は、河合隼雄氏のお弟子さんで、つまりユングの孫弟子にあたる。 なので、河合さんやユング心理学について、よく話してくれた(ぼくのカウンセリングだけど彼の方がよく喋っていた)。 たくさ…

邯鄲の夢枕

ぼくは子供のころから「笑ゥせえるすまん」が好きで、去年は、藤子不二雄A先生の故郷、富山で催された展覧会にも行ったこともあります。 都会に、仕事に、家庭に、学業に、現代に生きることに疲れた平凡な人間の“悲しい欲望”を叶える喪黒ですが、最後には、…

新年明けましておめでとうございます 2020

A HAPPY NEW YEAR! 今年もよろしくお願いします。 昨年の大きな出来事といえば、インドに行ってきたことです。 ヒマーチャル・プラデーシュ州という州の3ヶ所、ダラムサラ、マナリ、シムラというところをバスで旅してきました。 なんといっても一番よかった…

デリーにて

今月1日、成田からデリー空港に到着後は、そのまま直で国内線に乗り換えてダラムサラに行ったので、デリーの土を踏むのはこれが今回初です。 ただ日程調整的にステイするだけで考えてたのですが、なんとなく観光したくなってきたので、行ってきました。 デリ…

シムラーにて

シムラーにて風邪をひきました。 12日に、マナリからバスで10時間かけて到着後、なんとなく調子悪いなと思っていたら、どうやら風邪のよう。翌日はもともとなにもせずに休もうと決めていたので、少し外に出たくらいでした。 14日、まあ風邪もたいしたことな…

マナリにて

今回のインド旅の3分の2が終わろうとしています。インドでの生活にも慣れてきました。無愛想な接客にはまだ慣れないけど…。 Part.2はマナリという都市。都市というか町。人口は8000人ほどらしいです。 観光産業で成り立っているらしく、町は観光客と見受けら…

ダラムサラにて

特に説明もなく「みたび インドへ」とブログを始めましたが、きちんと整理したいと思います。精神的にあたふたしていて、このブログでまとめることができませんでした…。 今回の3度目のインド旅行は、約3週間の予定で、3つのセクションに分けられます。Part.…

みたび インドへ

ずっと更新を怠っていたこのブログですが、これは旅のブログでした。 いきなりですが、今日、インドへと旅立ちます。 旅は病。 もう、どうしようもないもので、自分でもあほらしいと思うけど、今度、3度目のインドへと、東京行きの飛行機に搭乗しようとして…

神が死んで、アニメが生まれた

自分よりも絶対的に高次元の存在で、自分の全てを無条件で預けることができるものが神であり仏であり自然であり、その生き方が信仰だとしたら、近代以降、人は信仰に生きることが非常に難しくなった。 でも人は、そういう存在を常に求めている。求めずにはい…

蚤の市に参加してきました

珠州市内の木ノ浦という景勝地にある広場で、蚤の市が開かれるということで、ぼくもSMALL CAPITALとして出店してきました。個人的な古本と、自分の本を売りに。リアル本屋SMALL CAPITAL会場の風景 1会場の風景 2カフェ「cove」 珠洲にこんな面白い人が! こ…

わたしの平成の3冊 1位:『海辺のカフカ』(村上春樹)

令和になりました。新元号も、当ブログをよろしくお願いします。 平成を自分が読んだ本で振り返るコーナー「わたしの平成の3冊」第1位です。 3位、2位は前の記事にあります。 nouvellemer.hatenablog.comnouvellemer.hatenablog.com 1位:村上春樹『海辺のカ…

ブログのヘッダーを変えました

どうでもいいですが、ブログのヘッダーが上のように変わりました。 なぜかどれだけ試行錯誤してもヘッダーにすると画像がボケてしまうのですが、元画像がこちらになります。PC版スマホ版元画像 去年の夏に鳥取砂丘に行ったときの写真です。 こういう、シンプ…

わたしの平成の3冊 2位『あん』(ドリアン助川)

個人的平成の本ベスト3を書くシリーズ。今日は第2位です。 3位はひとつ前の記事にあります。 nouvellemer.hatenablog.com 2位:ドリアン助川『あん』(ポプラ社)平成25年表紙も好き ぼくと『あん』との出会い。 ある夜、父の運転する車で金沢から珠洲に帰る…

わたしの平成の3冊 3位『月』(辺見庸)

先日、朝日新聞で「平成の30冊」という記事があって読んだのですが、それが結構面白かったです。 30冊のうち3分の1はすでに読んだ本で、なるほどなと思ったり、知らない本も何冊もあったりして、楽しい特集でした。 book.asahi.com 考えてみれば、ぼくは昭和…

新元号〈令和〉を書道で見る

ネット上もリアルの世界も、散々話のネタになっていると思うのですが、2019年5月1日から始まる新元号が決まりましたね。 このブログは、別にそういうことは書かないものなのですが、この元号を書道の視点から見てみたいと思ったので、筆をとりました。 「平…