ホーム・アンド・ジャーニー

ふるさとの珠洲(すず)と、そこから出てそこへと帰る旅にまつわるあれこれ。

Desperado 和訳に挑戦

いつ買ったかわからないベスト盤

 今回和訳するのは、イーグルスの「Desperado」(デスペラード)。
 「ならず者」という邦題が付いていて、西部開拓時代を念頭においた曲のようです。
 ただ、わたしが和訳する曲として選ぶのは、自分の言葉で訳せそうなものですので、自己流、自分の感覚で訳させてもらいます。
 けっこう前、わたしは手持ち無沙汰のときに、ピアノでも練習するかと思って、軽く習っていたことがありました。そんなときに、父が練習曲として提案してくれたのがこの曲でした。
 そのときは、知っている曲ではあったけど、あまり記憶にはない曲でした。改めて聴いてみると、いい曲だなと思った程度です。
 が、今なぜか思い出されて、歌詞をきちんと読んだり調べたりすると、なぜ父がそのときのわたしにこれを薦めたのかが、わかったような気がして、ちょっと感動したんですよね。
 曲じたいは、ドン・ヘンリーが26歳のときに、友人に向けて書いたものということです。
 今回の自己流和訳では、Desperadoという単語をどうしようかと思いましたが、以下のようにしました。


Desperado - Eagles

Desperado (Don Henley / Glenn Frey 1973)
愚か者

Desperado, why don’t you come to your senses
愚か者だな、そろそろ目を覚ましたらどうだい
You’ve been out ridin’ fences for so long now
随分長いこと自分の檻をぐるぐるしてさ
Oh, you’re a hard one
うん、君はむずかしいやつさ
I know that you’ve got your reasons
僕にはわからない理由もあるんだろう
These things that are pleasin’ you
でもね、君が大事に温めているそれは
Can hurt you somehow
どういうことか、君を傷つけもするんだ

Don’t you draw the queen of diamonds, boy
ねえ、なんでダイヤのクイーンを引いちゃうかな
She’ll beat you if she’s able
君の手に負える代物じゃないのにさ
You know the queen of hearts is always your best bet
君にはハートのクイーンがベストなんだろう?
Now it seems to me, some fine things
ぼくにはこう見えるんだ
Have been laid upon your table
結構なものがテーブルに広がっているのに
But you only want the ones
君は、手に入れられないもばかり
That you can’t get
欲しがっている

Desperado
愚か者よ、
Oh, you ain’t getting no younger
過去の栄光に縋るのはやめようぜ
Your pain and your hunger
その痛みと飢(かつ)えのせいで
They’re driving you home
君は悪い郷愁に苛まれるのさ
And freedom, oh, freedom
自由、そう、自由
Well that’s just some people talking
ってみんなは言ってるよ
Your prison is walking through this world all alone
君は檻の中にいたまま、孤独に世界を彷徨ってるのさ

Don’t your feet get cold in the winter time?
冬の日は足元が冷えないかい?
The sky won’t snow and the sun won’t shine
雪も降らなければ、陽も当たらない
It’s hard to tell the night time from the day
それじゃあ、夜も昼もわからないよな
And you’re losing all your highs and lows
そしたら喜びも憂いもなくなってしまうぜ
Ain’t it funny how the feeling goes
そうなってしまうのは、なんだか
Away…
おかしなことだろう?

Desperado
愚か者だね
Why don’t you come to your senses?
ほら、わかっただろう?
Come down from your fences, open the gate
こっちに来て、扉を開けてくれよ
It may be rainin’, but there’s a rainbow above you
雨の日もあるかもしれないけど、きっと虹が架かるはずさ
You better let somebody love you (Let somebody love you)
誰かに愛されるように努力しようよ
You better let somebody love you
誰かに愛されるような人間になろうよ
Before it’s too late
手遅れになる前にさ
 
 人は皆、自分が可愛くて大事です。
 それじたいは仕方のないことですが、悪い時期にハマってしまうと、いつの間にか、自分をクズ人間だとか悲劇の主人公だとかに仕立ててしまいます。それがさらに悪い方向に向かわせてしまうんですよね。
 孤独がいいとは言いながら、ほんとうは誰かを欲しがってるのかもしれません。
 自己憐憫
 その檻は簡単には破れません。
 人に心を開くって、難しい。
 個人的に面白いと思ったところは、最後の連で、誰かに愛されるようになれ、と書いてあるところです。
 誰かを愛しなさい、ではなく、愛される人間になれ、と。
 今になって、心に染みる歌詞です。
 
✴︎sentences✴︎
・come to one's senses:我に返る、目を覚ます
・have been out riding fences:直訳すると「フェンスに乗る」ですが、これはカウボーイ用語がもとになっているらしく、「君は馬に乗って(自分の土地を囲む)フェンスの見回りに出かけたまま」という意味になるようです。こちらを参考にさせていただきました。
・pleasing:喜び、満足感を与える
・beat:打ち負かす、圧倒する。sheがなにを指すかあやふやですが、こう訳しました。
・It seems (to A) 〜:(Aには)〜のように見える
・drive 〜:〜を(悪い方向に)追いやる
・tell A from B:AとBを見分ける、区別する
・lose:失う
・let A[目的語] B[動詞]:AにBさせる