ホーム・アンド・ジャーニー

ふるさとの珠洲(すず)と、そこから出てそこへと帰る旅にまつわるあれこれ。

詩集『おとはきこえ』を試し読み

 

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 今、ぼくの手元にも詩集『おとはきこえ』が届きました。10冊頼んであって、明日の一箱古本市珠洲で販売します。

 そういうイベントなどで直接中身が見れないという方のためにも、今日は少しだけ内容を紹介したいと思います。こんな詩が載っています。

 

  「日日のクレヨン」

  オレンジ色の憂鬱が
  トワイライトにかさなって
  「急がないで」の言葉だけ
  今日はひとしお身に染みる

  無言の狸の戯言を
  聞いてばかりの日常の
  白く四角いかたちさえ
  パウル・クレーの名画さえ

  孤独に心がしみたなら
  有象無象の脳みそが
  唐紅に色づいて
  ただ一点の曇り無く

  声する方を振り向けば
  サンセットから語りかけ
  素直にその声きいたなら
  鐘が鳴るなり法隆寺

  サヨナラ三角またきて四角
  これでしばしのオサラバよ

 

 またはこんなのが。

 

  「犬のしあわせ」

  ランは賢い犬だった
  ただ、耳が遠いだけのこと

  散歩とメシ以外はおねだりしないし
  いつも静かに瞑想している

  道路を渡る時は、右みて左みてまた右みて
  それでもちゃんと交通事故には会うし

  メシの前にはオスワリするし
  「ごちそうさま」も言うよ

  鎖も苦とせず
  猫のモンクには目もくれず

  雨の日にはぢっと外を眺め
  空想の中で雲を食べる

  我が子に先立たれて
  強い心だけが残った
  (チャッピー、君は幸せだったかい?)

  ランは賢い犬だった
  ただ、耳が遠いだけのこと

 

 特に解説はなし。日々湧いてきたものをかたちにするのは楽しいです。

 こんな感じの詩が載っていて、合間にちょっとだけ写真もあります。その写真も少しだけご紹介。

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 上の写真はジャンボフェリーにて。下の犬がラン!?

 少しシュール系のものを集めてみました。

 こちらにて販売していますので、気になった方はポチッとしてみてください。

 

 珠洲一箱古本市は、明日開催予定。楽しいイベントなので、来られる方はぜひお越しを。

 

 珠洲一箱古本市
 日時:5月14日(日)10:00〜15:00
 場所:しいたけ小屋「ひろ吉」 珠洲市三崎町雲津 ト39